-Ensemble Principi Venetiani-
アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニの名前の由来
私達の師であるコルネット奏者、ジャン・テュベリ氏により命名されたもので、「プリンチピ」とは王子達という意味ですが、16世紀に日本よりキリシタン大名の使節としてヨーロッパへ送り込まれた天正少年使節団らをイタリアのヴェネツィア等では、「日本からの王子達」と言って大変歓迎されました。私達アンサンブルがイタリア、特にヴェネツィアで活躍した作曲家達の音楽をレパートリーにすることから、このようなアンサンブル名がつけられました。日本とヨーロッパとの文化的交流は今も昔も相互に影響を与えるものであり、後世にもその文化を伝えて行きたいという、テュベリ氏の願いも込められています。
当アンサンブルは、上野訓子と笠原雅仁を中心にフランスのパリにて結成され、西ヨーロッパの初期バロック音楽、特にイタリア音楽やイタリアに影響を受けた(イタリアの様式を受け継いだ)ドイツ音楽などのレパートリーを中心に演奏活動を行っております。
穏やかな地中海気候に恵まれ、アルプスを望むこともできるイタリアは豊かな土地を持ち、古来より常に地中海において中心となる国でした。その文化や気候、風土は過去も現在も人々の関心を集めています。 ルネッサンス時代には多くの偉大な芸術家を輩出しましたが、イタリア音楽に関しては特に、ルネッサンス時代からバロック時代へと移り変わる時期−16世紀末から17世紀前半ーに、ヨーロッパにおいて重要な位置を占め、各地に大きな影響を与えました。宗教音楽の荘厳な響き、きらびやかな宮廷音楽、そして壮観なる劇場音楽・・・ヨーロッパ各地の音楽家らがイタリアを訪れ、その洗練された音楽に魅了され、後にその奏法や技術を自国に広めようと努めました。
何故これほどまでにイタリア音楽は注目されたのでしょうか?
それは、それまでにあったようなルネッサンス時代の人間の理性や均整の美に加えて、劇的に表されるようになった人間の「祈り」や「感情」が音楽における最も重要な主題となったところにあるかもしれません。 このように大変ドラマティックで表現力豊かな音楽、そしてそこから生まれるヒューマニズムのメッセージを、私たちは探求し、当時の音をできるだけ忠実に、また歴史的に正しい方法で再現したものを次の世代へ伝えることを目的として活動をしています。 私たちの演奏を通して400年前の彼らの生活のにおいや息づかいを皆様に感じていただければと思っております。
This ensemble was founded by Kuniko Ueno and Masahito Kasahara who are the nucleus of this group. We are presenting the music of the early 17th century, with particular emphasis on Italian repertoire.Italy has been at the centre of european culture from ancient times to the present. In the period between the latter half of the 16th century and the start of the 17th, Italian composers and performers produced music which was to be an inspiration across the whole of Europe. Many musicians visiting Italy at the time were amazed by the solemn sound of the sacred music and the magnificence of their opera. The influence of Italian high art would spread for and wide.We hope through our historical research to reproduce the rich expression that these early travellers to Italy would have experienced and to bring it to a fresh audience in the 21st century.